競技
日本人のわたしたちにとっては馴染みのある駅伝という競技。
ところで駅伝は日本だけで行われているスポーツ競技なのでしょうか。
海外でも駅伝競技は行われているのでしょうか?
そんな風に思ったことはありませんか?
先に答えを申し上げますと、実は海外でも駅伝大会が行われているんです。
どこの国でどんな駅伝が行われているか気になりますよね。
そこでここでは、どのようにして日本で駅伝が広まっていったのか、そして海外ではどのような駅伝が行われているのか詳しく見ていきましょう。
また、日本で開催されていた国際駅伝についてもご紹介していきます。
駅伝は日本だけの競技?日本発祥?
それではまず、なぜ駅伝が日本で親しまれ今もなお人気があるスポーツ競技となっているのか、その歴史について簡単に見ていきたいと思います。
駅伝の発祥は日本
駅伝競技としての最初の駅伝は東京奠都50周年記念として1917年4月27日に開催された「東海道駅伝徒歩競走」と言われています。
関西組と関東組のふたつのチームに分かれて京都の三条大橋を午後2時に出発して、東京の上野不忍池までの23区間を昼夜問わず走り抜けていたのだそうです。
このときの関東組のアンカーを務めたのが、箱根駅伝の開催に尽力し日本のマラソン界の発展に大きく貢献した金栗四三 ( かなくり しそう ) さん。
金栗四三さんは3度オリンピックに出場した中で日本のスポーツの弱さを痛感したのだそうです。
そこで日本人選手の強化のため、日本で初めての女子テニス大会を開催したり、スポーツの重要性を語り広めマラソンの普及に努めました。
「金栗四三記念選抜中・長距離熊本大会」「金栗杯玉名ハーフマラソン大会」「金栗四三翁マラソン大会」といった大会があることからも金栗四三さんの功績が伺えます。
こうして駅伝やマラソン大会が日本中に広まり、日本人に親しみのある競技となったのですね。
駅伝は日本だけで行われている?
このような歴史を見ていくと、駅伝は日本だけで行われているようにも感じますが、実は海外でも駅伝大会は行われているんです。
世界陸連(国際陸上競技連盟)では駅伝の国際名称を「Road relay」としていますが、以前までは駅伝は日本でしか行われていなかったこともあって「Ekiden」と呼ばれていたり「Marathon relay」と呼ばれることもあるそうです。
近年ではハワイやグアム、ベルギーやニュージーランドなどでも駅伝大会が行われているのだそうですよ。
具体的にどのような駅伝大会が行われているのでしょうか。
次の見出しで詳しく見ていきたいと思います。
海外でも駅伝大会がある?
それでは次に、海外で行われている駅伝大会について見ていきたいと思います。
現在も行われている海外の駅伝大会についてまとめてみました。
●アメリカ
ホノルル・レインボー駅伝
ホノルル駅伝&音楽フェス
●ベルギー
ブリュッセル駅伝
●ニュージーランド
ロトルア駅伝
●シンガポール
トヨタ駅伝
いかがですか?
意外と多いなって思いますよね。
また近年では、2013年からはパリで「EKIDEN DE PARIS(パリ駅伝)」が毎年開催されていてパリ市内を6区間(42.195km)に分けて駅伝が行われているとのこと。
総距離が短いこともあって初心者が学生ランナー、ランニングクラブのランナーまで全ての人が参加できるリレーマラソンとして人気を集めています。
パリで駅伝なんて、ちょっとオシャレな感じがしますよね。
そして2024年6月24日には英国で初となる駅伝大会「FT日経 UK駅伝」が開催されました。
コースは10区間123km。
箱根駅伝をモデルにした大会で、UK駅伝の設立者でもあるアンナ・ディングリーさんは「たすきをつないでいく姿はチームワークや協力し合う姿勢、困難に立ち向かう努力など日本文化を象徴している。英国でも根付いてほしい」と話しています。
これからどのようにUK駅伝が進化していくのか、とても興味があります。
参考 欧州で広がる駅伝「EKIDEN」、英国で初開催 「日本文化の象徴」日本経済新聞
過去には日本でも国際駅伝が開催されていた?
それでは最後に、日本国内で行われていた国際駅伝について見ていきたいと思います。
なぜ「日本国内で行われていた」という言い方をするのかというと、今でも市民駅伝最高峰と呼ばれている「川崎国際EKIDEN(旧:川崎フルマラソン駅伝)」が日本で行われていますが、こちらは川崎市が後援となっていて日本陸上競技連盟や国際陸上競技連盟公認の駅伝大会ではないんですね。
一昔前と比べて中・長距離の国際大会が増えていき、出場する選手を集めるのが難しくなった、出場国が少なくなったなどといった理由により、日本で行われていた国際駅伝が終わりを迎えてしまったという経緯があります。
そこで過去に日本で行われていたふたつの国際大会をご紹介したいと思います。
横浜国際女子駅伝
1983年から2009年に渡り神奈川県横浜市で行われていた女子の国際駅伝です。
女子の長距離・マラソン選手育成と国際親善を目的として始まった駅伝大会で、ロシア(旧ソ連)、イギリス、ノルウェー、ポルトガル、中国、ケニア、エチオピアなどが参加していました。
日本は最多の優勝回数10回を誇ります。
大会開催当初は10ヶ国前後の各代表国が出場していた横浜国際女子駅伝ですが、2000年代以降には出場国が半減、最後の年となった2009年の出場国は6ヶ国だったということ。
こうした出場国の減少も相まって大会を継続することが難しくなってしまったんですね。
ですが、横浜国際女子駅伝は初の女子マラソンとなった1979年の東京国際マラソンにおいて女子選手の参加を促し、1984年に行われたロサンゼルスオリンピックで女子マラソンを正式種目としてされたきっかけとも言われています。
また、日本チームが1992年のバルセロナオリンピックから2004年のアテネオリンピックまでの4大会連続でメダルを獲得したことからも、女子の中・長距離、マラソン選手育成に大きく貢献した大会であったと言えるでしょう。
国際千葉駅伝
1988年から2014年にかけて千葉県千葉市で行われていた国際陸上競技連盟公認の国際駅伝大会です。
第1回大会にはオリンピックにも出場し、日本長距離界をリードしたと言われている瀬古利彦さんが参加。
この国際千葉駅伝を最後に引退をするということで、大会終了後には引退セレモニーも行われたそうですよ。
また、第9回大会(1997年)には後にシドニーオリンピック(2000年)で金メダルを獲得する高橋尚子さんも日本チームのアンカーとして出場した大会でもあるんです。
国際陸上競技連盟公認というだけあって、出場選手も豪華で大きな大会だったことが分かります。
国際千葉駅伝についてはこちらの記事で詳しく触れていますので合わせてご覧になってみてくださいね。
(ブログにアップする時に48-6の記事にリンクさせます。)
駅伝は日本だけなのか?に関するまとめ
駅伝は日本だけで行われているの?海外でも駅伝は行われているの?
そんな疑問について見てきましたがいかがでしたでしょうか?
一時期は参加国も多く盛り上がりを見せていた国際駅伝大会でしたが、国内国外問わず次第に増えていった長距離の国際大会の増加により、出場国や出場選手の減少などもあり、財政的にも継続が難しくなったことが分かりました。
その一方で新たに英国で始まったUK駅伝。
これからどのようにして発展していくのかとても楽しみです。